地方創生

故郷を持たない僕には、「移住したい」という言葉を理解しきれない。

こんにちは。
木津(@ayumukizu)です。巷ではムハンマドと呼ばれています。

 

今日は、東京ビッグサイトで開催された「移住フェア」に行ってきました。

関係人口契約を結んでいる兵庫県香美町の皆さんがブースを出していたため、ご挨拶をしてきた。

参照:兵庫県香美町の関係人口になりました。契約によって関係人口であることを示すという試み。

 

この帰り道、ふと。

「移住フェアに参加する人たちは、どうして移住をしたいと思うんだろう」と考えました。

「移住したい」という言葉を理解しきれない

 

「生まれ育った故郷に帰りたい」

「地域活性化に貢献したい」

「田舎でスローライフを送りたい」

今まで聞いたことがあるいくつかの意見を思い出してみたけど、正直にいうと、どれも今ひとつしっくりきませんでした。

表面的には理解はできるけど、なぜそう思うのかが理解しきれない。

 

「理解しきれない」とはいっても、僕も”地域での暮らし”の魅力はずいぶんわかっているつもりです。

地域ごとそれぞれにある暮らしの魅力に取り憑かれているからこそ、今後も様々な地域に足を運んで行きたいと思っている。

そしてあわよくば、地域の活性化に向けて一役買えたらいいなと思っています。

 

ただ僕が”地域での暮らし”を魅力的だと感じるようになったのは、あくまでも後天的な話です。

各地に3週間から2ヶ月程度の滞在をする今の暮らしを始めてから、ようやくその魅力に気づくことができた。

仮に僕が、大学を出てから今までずっと都内の会社に勤めていたら、「移住したい」と思う日はきたんだろうか。

あまり、イメージができません。

書籍『凡人のための地域再生入門』

 

少し話は変わるけど。

今僕は、まちづくりの世界で有名な木下 斉さん(@shoutengai)が書かれた、『凡人のための地域再生入門』という書籍を読んでいます。

都内に勤める主人公が地元に帰り、地域再生に携わっていくというお話。

 

物語は、地元で店をやっている母から主人公に電話がかかってくるところから始まります。

「……ちょっとお母さん話したいことがあるから、一度、家に帰ってきて」

(中略)

母が何を言いたいのか、僕にはなんとなくわかった。ずっと頭のどこかにあったけど、見て見ぬふりをしてきたたくさんのこと。

 

この後地元に戻った主人公は、母から「家業が奮わず店を畳もうと考えている」と伝えられます。

 

この文章を読んで真っ先に感じたのは、「僕には故郷がない」ということです。

理解しきれないのは、僕に故郷がないから

 

僕には、故郷と呼べるような場所がありません。

地元ではなく、故郷。

 

僕が育った千葉県船橋市は、電車に乗って10分も揺られれば東京都に入ってしまうような場所です。

足を運ぶたび、昔あったお店がなくなってしまっているということもほとんどない。

だからこそ、「これから地方が衰退していく」といったような話は、つい最近まで特別意識したことがありませんでした。

当然、「地域活性化に貢献したい」という気持ちもなかった。

 

また、ある程度商業化した町で育ったからなのかわからないけど、生まれ育った町に対する思い入れも特にありません。イオンとか見てても、ねえ。

もちろん地元の友達と久しぶりに顔を合わせると嬉しいけど、町そのものに対しての思い入れはありません。

だから、「生まれ育った故郷に帰りたい」という気持ちもほとんどない。

 

そして「田舎でスローライフを送りたい」という気持ちに対しても、いまいちピンときていません。

もちろん今の僕は、田舎特有のゆったりとした時間の流れがとても好きです。

ただそれは、僕が今のような暮らしをしているからこそ感じていることであって、東京の会社に勤めていた時は田舎のスローライフに憧れたことは一度もありませんでした。

そしてこれも結局、僕に故郷がないことに起因している話なんだろうと思っています。

そもそも田舎でスローライフを送ったことがなかったから、スローライフに対して憧れを抱くこともできない。なんといっても知らないから。

「移住したい」という気持ちと故郷の有無

 

冒頭の話に戻ります。

僕が「移住したい」という言葉を理解しきれないのは、自分には故郷と呼べる場所がないからなんだろうなと思います。

故郷がないから、「移住したい」と思う人が根底に持っている感覚を理解しきれない。

 

これは全く根拠のない話だけど、「移住したい」と思う人の多くは、自分の故郷を持っている人なのかもしれないなと思いました。

終わりに

 

以上です。

 

移住フェアの会場をふらふらしていたら、十和田でお世話になっていた自治体の方と会いました。

こういうの、正直すごく嬉しいです。

 

また来てね!

 

この記事で紹介した書籍

 

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