関係人口

兵庫県香美町の関係人口になりました。契約によって関係人口であることを示すという試み。

こんにちは。
木津(@ayumukizu)です。巷ではムハンマドと呼ばれています。

 

今日は一つお知らせがあります。

11月から、兵庫県香美町の関係人口になりました。

香美町と『関係人口契約』を結びました

 

「関係人口になりました。」だなんて言うと、「いきなり何を言ってるんだコイツは。」と思われてしまうかもしれません。

もう少し詳細にお伝えすると、8月に僕が滞在していた兵庫県香美町に拠点をおくNPO法人TUKULUから契約料をいただき、『関係人口契約』を結ぶことになった、ということです。

 

『関係人口契約』とは、今年の8月に僕が当ブログ『居候男子』の中で提唱した、一個人と一地域とが関係人口である事を示す契約のことです。

参照:複業の一つに地方を数える。『関係人口契約』という地域との関わり方

定義が曖昧な関係人口

 

「移住人口」と「観光人口」との間にある概念として、近年注目が集まっている「関係人口」。

その地域に定住するとまではいかなくとも、その地域に常に関心をもち、当事者として一緒に盛り上げていこうという意思を持った人たちのことです。

参照:関係人口のハブになる書籍『関係人口をつくる』の概要と感想

 

「関係人口」という言葉に注目が集まる一方で、その定義については未だ曖昧なままです。

複数拠点の一つとしてその地域に拠点を構える人は関係人口と言えるだろうし、東京を拠点としながら定期的にその地域への移住促進イベントを開催する人も関係人口と言えるはず。

定期的にその土地に観光に訪れる人だって、関係人口と言えるのかもしれません。

 

ただ定義が曖昧だからこそ、ある種のとっつきにくさもあるような気がして。

明確な定義を持った関係人口のあり方を用意した方が、むしろ普及しやすいような気がしています。

離れても関係し続けたい

 

またもう一つ僕が問題視というか、ある種の難しさを感じているのは、中長期的な滞在をすることで関係性を築いた地域と、そこを離れることでどうしても関係が薄くなってしまうこと。

これはある意味仕方がない話ではあるけども、どうにかやりようはないものかと考えていました。

 

そんな背景から、今回僕とNPO法人TUKULUとで結ぶことになったのが、僕が香美町の関係人口であることを示す『関係人口契約』です。

滞在することで一度築いた関係性を、持続させるための仕組みとして。

『関係人口契約』を結んで何をするのか

 

『関係人口契約』では、NPO法人TUKULUから僕に対して契約料が支払われます。

僕とTUKULUとが結んだこの契約で、僕から先方に提供することをお約束したのは次の三点。

①月に最低1回、オンラインでのMTGを行う
②オンラインMTGの後、必要に応じて『hyphen,』と一緒に企画をつくる
③ブログ『居候男子』にバナー広告を貼る

 

以下順番に、この詳細について書いていきます。

①月に最低1回、オンラインでのMTGを行う

 

NPO法人TUKULUと、月に最低一回のオンラインMTGを行います。

町としての取り組みから、日々あった何気ないことまで、相互に情報交換をする。

先に書いた通り、難しいのは、そこに滞在しなくなることで関係性が希薄になってしまうことです。

滞在期間中は詳しかったその地域について、そこを離れることを機に一気に情報が入ってこなくなる。

 

まずは、その地域に住んでいない人の中で最もその地域のことをよく知っている人間になることを目指します。

②オンラインMTGの後、必要に応じて『hyphen,』と一緒に企画をつくる

 

オンラインMTGの後、必要に応じて創作ユニット『hyphen,』として企画をつくります。

 

創作ユニット『hyphen,』とは、「暮らし、あそび、繋がる」というコンセプトのもと、「地域と暮らし」にまつわる創作を展開するチームです。

デザイナーやエンジニア、カメラマン等の6人のメンバーで構成されます。

 

オンラインMTGによって話した内容を、必要に応じてチーム内でも共有し、企画提案を行います。

目指しているのは、仕事を受注するのでもなく、企画を提案するのでもなく、一緒に企画をつくっていける関係性です。

 

③ブログ『居候男子』にバナー広告を貼る

 

最後に、当ブログ『居候男子』バナー広告を貼ります。

僕がブログ運営を頑張れば頑張るほど、その地域の認知度が上がっていく。

ゆくゆくは、「地域おこし協力隊」制度の派生系として

 

ここからは、まだ少し先のお話です。

ゆくゆくはこの「関係人口契約」が、「地域おこし協力隊」制度の派生系として、香美町と僕以外の地域と個人との間でも結ばれたらいいと思っています。

 

現在総務省が主導となって行っている「地域おこし協力隊」の制度は、移住人口を増やすことをゴールとしたものであると考えています。

三年間の地域おこし協力隊として活動した先に、隊員がその土地に定住することを目指している。

地域おこし協力隊モデル

 

もちろん、この制度に対して批判的な見方をしているわけではありません。

でも同じ財源から、移住をゴールとしない関係性を目指すものがあってもいいんじゃないかと思っていて。

それが、今回僕が僕が香美町と結んだ『関係人口契約』というあり方です。

 

『関係人口契約』では、一人に支給する額を小さくすることで、同じ額でより多くの人材と緩やかな関係性を築くことを可能にします。

そして一人が複数の地域と契約を結ぶことを許容すれば、実質的な人口が増えることにもつながるはず。

関係人口契約モデル

 

リモートで地域に携わる方法が確立されれば、その地域以外に住む人が、複業の一つとして地方創生に取り組むことも可能です。

参照:複業の一つに地方を数える。『関係人口契約』という地域との関わり方

 

まだまだ先の話ですが、いつかそんな未来につながればいいなと思っています。

NPO法人TUKULUと一緒に模索しながら進めていきます

NPO法人TUKULUの皆さん

 

今回この試みに踏み切ることができたのは、NPO法人TUKULUのみなさん、及び理事長の松岡大悟さん(@matsutoso)の多大なるご理解とご協力があったからこそです。

 

NPO法人TUKULUとは、兵庫県香美町に拠点を置くまちづくりのNPO法人で、行政からの業務委託の他、『レンタルスペースglass』の運営、都内のベンチャー企業と提携した移住体験ツアーの企画運営等を行っています。

外部リンク:NPO法人TUKULU

理事長の松岡さんとは、今年の3月まで僕が住んでいたシェアハウス『モテアマス三軒茶屋』で初めて出会い、8月に香美町を訪れた際にも大変お世話になりました。

 

この契約についてはじめて話を持ちかけた時、松岡さんが言ってくださったこの言葉がとても印象に残っています。

「やったことがないからこそ、やってみないとわからん。まずはやってみよう。」

 

まさしくこの通りなんだけど、それは話を持ちかけている僕の立場で言えることではありません。

だからこそ、松岡さんからそう言ってもらえたのがすごく嬉しかった。

 

その気持ちを無駄にしないよう尽力したいし、そうしないといけない話であると思っています。

終わりに

 

以上です。

 

今回の記事については、感想を添えてシェアしてもらえるとすごく嬉しいです。

記事を読んでくださった方がどんな感想を持つのか、ぜひ知りたい。

何卒よろしくお願いいたします。

 

また来てね!

 

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