ダニエルとムハンマド

あとがきに代えて

ムハンマド「おつかれ」

ムハ「タイにきています。

 

拠点はバンコクに住んでる昇平さんの家なんだけど、昨日から一人でチェンマイにきてる。

タイはこの時期水掛祭をやっててさ、チェンマイの静かな雰囲気を味わいたかったから水掛祭の前日にチェンマイに来たのに、めちゃくちゃ水をかけられるんだよ。

正直濡れるのは本当に嫌なんだけど、大人も子供も活き活きしてて、すごく楽しい。

本当に楽しいのに、この程度の写真しか撮れないんだよ。泣けるだろ?

だからモテアマスの写真なんかを見返していると、俺はカメラマンと一緒に暮らしていたんだってことを思い出すよ。

 

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土田こないだ、1日の半分はツイッターやってますってツイートしてたじゃない?

 

でも俺もっとツイッターやってるんだよね。笑

 

せっかく旅行来てるのになにしてんだって話なんだけど、これはしょうがないんだよ。

たまに海外に来ると色々気づきがあるから、その都度ちゃんと言葉にしておきたいんだよね。

だから感じたことはその場ですぐツイートするんだけど、そんな時、そういえば二段ベッドではこんな話ばかりしていたなと思うよ。

 

−−−−−

 

モテアマスを退居する少し前にさ、「一緒にタイいく?」って言ったじゃない?

あれ冗談みたいになっちゃったけど、結構本気で言ってたんだよね。

モテアマスに入居することを決めた時もさ、俺がお金ないからもう少し待ってくれって言ったらカズキタさんが、「じゃあ友達連れて2人で住みなよ」って言ってきて、そのやりとりをしていた時俺の目の前で作業していたのが土田。

土田が家賃も聞かずに入居を決めた時は「こいつまじで頭悪いな」って思ったけど。

けどそれくらいのノリで、今回も一緒に来てくれねーかなと少し期待していたんだよ。

 

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なにが言いたいかっていうとさ、そのうち一緒に旅をしようよ。

土田が写真を撮って、俺が文書を書いて、『旅するダニエルとムハンマド』をやろう。

旅のメディアってその国の見どころを切り取ることが多いけど、旅の面白さってそこじゃないと思うんだ。

現地の人との何気ない会話とか、こっちで食べたクソまずい日本食とか、そういう日常の方が、ずっと面白いと思うんだよね。

いつか俺、そういう日常を発信するメディアをやってみたいんだよ。それで生計を立ててみたい。

好きなことでしか食えない時代が来ているとすれば、ワクワクする方を選んだ方がいいに決まってるよ。

それで全然どうにもならなくなったら、またいつかの忘年会で、「あの頃は最高だったな」って言いながら頭の悪い飲み方をしよう。

 

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まぁそうはいっても、俺も帰国したらいろいろやってみたいことがあるからさ、2,3年後にやろうよ。

でも2,3年後にはまたお互い別のことを考えていて、もっと他にやってみたいことを見つけているんだろうね。

そういうとこが面白いよな、人生。」

 

 

ダニエル「あーね」

 

ムハンマド

 

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