週刊居候男子

「コミュニティに入り込む力」の分解。他

こんにちは。
木津(@ayumukizu)です。巷ではムハンマドと呼ばれています。

 

『居候男子』という肩書きで活動している僕は、およそ1ヶ月ごとに引越しをしながら各地を転々とする暮らしをしています。

12月の頭からは、和歌山県海南市にある、下津町(しもつちょう)に滞在している。

参照:海南市下津町編が始まります。

 

今日は、この1週間で考えたことをつらつら書いていきます。

やや長いですが、見出しごとに内容が完結しているので、見出しを見て気になったものだけ読んでもらえると嬉しいです。

「コミュニティに入り込む力」の分解。他

12/2から12/8までの備忘録です。

下津町での生活、概要。

下津町での生活が本格的に始まったので、ここでの生活について少し書いておきます。

 

下津町では、農産物にスポットを当てるブランド『FROM FARM』さんが運営している『みかん援農』というプログラムを使って、みかん農家さんのお手伝いをさせてもらっています。

参考:FROM FARM(外部リンク)

参考:みかん援農(外部リンク)

 

『みかん援農』は、収穫期のお手伝いを求める農家さんと、農業や地方での暮らしに興味のある人とをつなぐプラットホームです。

提携している農家さんは、町内でおよそ30。

全国各地からおよそ40人強のお手伝いさんが集まっていて、『FROM FARM』さんが各農家さんの進捗状況を確認しながら、それぞれに助っ人として派遣されていくシステムです。

 

1日のスケジュールは、概ね以下の通り。

08:00-12:00 収穫作業(途中10分休憩)
12:00-13:00 お昼休憩
13:00-17:00 収穫作業(途中10分休憩)
17:00-    帰宅・自由時間(飲み会したり)

農家さんによって若干バラつきはあるけど、大体こんな感じ。

 

収穫作業の時間は、山に登ってみかんを取って、取ったみかんを所定の場所に運んだりしています。

みかんを入れたカゴは約20kgになるので、カゴを運ぶ作業は普通に筋トレになる。

休みは決まっていなくて、基本的には雨で収穫ができない日がお休みです。

 

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仕事が終わったら、住んでるシェアハウスに帰る。

ここでは『みかん援農』のプログラムで集まった人たちが、大小計7つほどのシェアハウスに割り当てられています。

時々宴会もする。

援農で集まっている人たちは本当に生い立ち様々で、自分が今まで知らなかった生き方にたくさん触れられている気がしています。

 

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ざっとですが、こんな感じ。

概要なので、とりあえずイメージだけ伝わればオッケーです。

(終)

「コミュニティに入り込む力」の分解。

少し前に、こんなツイートをしました。

 

近年コミュニティブームはますます加速していて、「コミュニティに溶け込む力」、あるいは「コミュニティに入り込む力」は、ある種生きる上での一つの武器として、より一層重要になってきているなと感じています。

関連:コミュニティブームのこれからを考える

で、僕は今までこの「コミュニティに入り込む力」のことを、ある種の「コミュニケーション能力」として一括りにしていたんだけど、よく考えたらそうでもないなと。

そんな話を少し。

 

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今回の下津町での暮らしについて、僕が1点特異性として感じているのは、2つのコミュニティに同時に所属していることです。

 

1つは、『みかん援農』のコミュニティ。

全国各地から様々なバックグラウンドを持って集まった40数人は、住んでいる場所こそ違えども、交流会などで横の繋がりが活発に起こっており、1つの「コミュニティ」として成立している。

参考:みかん援農(外部リンク)

 

もう1つは、農家さんのコミュニティ。

今お手伝いしている農家さんでは、僕以外にも何人か地元のお手伝いさんを雇っていて、毎日5~8人くらいで収穫作業をしています。

僕以外のお手伝いさんは例年ここの農家さんでお手伝いをしているようで、これもある種の「コミュニティ」だなと思う。

 

この2つのコミュ二ティ、両者の決定的は違いは、「安定期に入っているか否か」です。

前者、『みかん援農』のコミュニティは、まだ「安定期に入っていないコミュニティ」です。

これは「不完全」という意味ではなく、単に結成からまだ時間が立っておらず、コミュニティ内での人間関係が固定されていない、という意味です。

一方後者、農家さんのコミュニティは、「安定期に入っているコミュニティ」です。

長く付き合いがあるからこそ、お互いの人間性を理解し、関係性が出来上がっている。

 

良し悪しの話ではなく、単に2種類あるという話です。

学校生活でいうと、4月にクラス替えが行われたばかりの教室は「安定期に入っていないコミュニティ」で、9月ごろ途中で転校してきた生徒が入るのは「安定期に入っているコミュニティ」です。

 

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始めの話に戻ると、「コミュニティに入り込む力」も、該当コミュニティが安定期に入っているか否かによって、実際必要になる力がかなり変わってくるなと。

「安定期に入っていないコミュニティ」では、自分の人間性を開示し、立ち位置をつくる力が求められます。

一方「安定期に入っているコミュニティ」では、すでにある人間関係を観察し、隙間を埋めるような力が求められる。

(ここは細かく書き始めるとめちゃくちゃ語れてしまいそうなのですが、ざっくり書くとこんな感じ。)

 

「だからどうした」って話ではあるんですが、ちょっと面白いなと思ったので書き留めてみました。

僕が『居候男子』としてやってきたのは、どちらかというと「安定期に入っているコミュニティ」に入ることで、今回の『みかん援農』のように「安定期に入っていないコミュニティ」に入るのはとても久しぶりなので、これもまた勉強になることが多そうです。

(終)

モノが、ヒトを繋ぐという話。

今一緒に住んでいる人の中に、奈良でトマト農家をしている人がいます。

彼は自身でトマト農家をやりながら、自分の畑に手がかからない時期は、今回のように他の産地のお手伝いをしているそうです。

年が明けたら、今度はお酒を作りに行くらしい。

 

彼の話の中で特に印象に残っているのが、「自分の商品を持っていると強い」という言葉。

手伝いに行ったことをキッカケに、自分の商品(トマト)を知ってもらい、その土地のお店に置いてもらうようなこともあるんだとか。

逆に自分がお手伝いしたことをキッカケに、自分にとって特別な、贔屓にできる産地の商品が世の中に増える。

 

これはまさに、僕が以前からやりたいと思っていたことです。

様々な地域に足を運び、一期一会の関係性ではなく、継続的な関係性を築くこと。

参照:移動生活の行く末について。移動生活は多拠点生活へ。

これを、僕みたいに小難しい言葉を一切使わず、ごく自然にやってのける様をみて、「なんだか羨ましいな」と思いました。

 

自分の商品を持って各地に足を運ぶことは、地域と継続的な関係性を持つ上での1つの王道なのかもしれないとも思った。

 

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少し話は変わるけど。

昨日自分のFacebookで、今僕が取っているみかんを送って欲しい人を募集してみました。

そしたら、思った以上にたくさんの反応をもらった。

反応がたくさん来たのももちろん嬉しいんだけど、それ以上に嬉しかったのは、最近連絡を取れていなかった人たちから連絡を頂けたことです。

みかんをキッカケに、コミュニケーションをとる機会をもらえた。

 

この体験から、「モノ(商品)にはヒトを繋ぐ力がある」ということに体感レベルで気付くことができたのは、すごく良かったなと感じています。

以前やったクラウドファンディングも、人の繋がりを感じられる素晴らしい機会だったんだけど、今回のソレとはまた少し違っていて。

参考:【ふたたび、暮らしを考える】雑誌「hyphen,」の創刊号を届けたい!

クラウドファンディングは、「モノの良さ」も勿論だけど、それ以上に「想いへの共感」によって人を繋ぐものだと思っています。

でも今回生まれたコミュニケーションは、僕の「想い」の力では全くなく、紛れなく「モノ」の力です。

これは、かなりすごいことだなと。

 

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この話はちょっとまだ自分の中でまとまりきっていなくて、気の利いた締め方が思いつかないけど、とにかくそんなことを考えました。

まとまりきっていないと言いつつ、今回の話は自分にとって結構重要な話であるような気がする。

(終)

終わりに

以上です。

先週はずっと農家さんで働いていたのですが、今日特別に一日お休みをいただいてしまいました。

昨晩は単車で温泉に行ったんだけど、気持ちよすぎて死んだ。

今週も頑張りましょう。

また来てね!